3Dプリントの比較

少し前に3Dプリントを使って何か作ってみようと思いついたのですが、3DCGはやっていてもそれを3Dプリントに落とし込むには別の技術が必要なんだと実感しました。

ということで、まずはカメラのレンズフィルタを作ろうと思い、試作を行いました。レンズ自体は専用メーカさんに現在作成依頼中です。今回はそのレンズをはめ込むケース側を作成しました。サイズは直径40mmほど、高さは7mmと2mm。最薄部は0.5mmと非常に薄いためうまくできるか心配でした。結果として下記2社様へ形状データを送り、作成していただきました。

一つ目はインターカルチャー様で材質は「ABSライク/SL7810」です。

インターカルチャー様作成3Dデータ

インターカルチャー様作成3Dデータ

左が受け側、右が上蓋になり、細かい溝がいくつかあり、固定可能なようになっています。

もう一つがデジモデ様で素材は「envisionTEC Perfactory4 × 織部 」です。

デジモデ様作成3Dデータ

デジモデ様作成3Dデータ

どちらも形状データを送り、配置の指定はなしとしました。

ですが問題なのは、サポート材の存在です。3Dモデリングの各所に溝が設けてあるのですが(裏面にもカメラ接続用の溝があります)、このサポート材が溝付近まであり、除去困難となりました。下画像の左側正面に菱形のものが見えますが、それがサポート材となり、完成後は除去する必要があります。

しかし、配置や角度の指定をせず任意としてしまったことでこのようになりました。

上画像については伸縮性のある樹脂となり、多少の引っ張りには耐えられます。サポート材も全体的に取りやすい配置になっており、そこそこ綺麗に取り除くことができました。

下画像は薄くても強度のある素材であるため、こちら方が良いのかなと思っておりました。しかし、サポート材の配置があまり良くなく、さらにかなり太いサポートとなっているため、除去は慎重にしないと割れてしまいます。一番太いサポート材は直径2mmにも達する箇所があり、強力な固定となっています。

これにより残念ながらサポート材除去に失敗しました。そもそも菱形の部分については除去不可です。

サポート材は簡単に除去できる、と各サイトに書かれていますが、これだけ薄く緻密な形状では場合によってはサポート材の除去が難しいこともあります。

つまりこのサポート材のことも考えた上で設計をしなければならず、3Dプリントを行う際には配置についてもしっかり指定をすることが重要です。

一部のサイトにはX、Y、Z軸の指定によっては意図しない縞模様が現れ、強度にも影響が出るという記載もありますが、もう一点サポート材の配置についても気をつける必要があります。

これはデジモデ様が悪いのではなく、私自身の指定ミス、素材の考慮ミスが原因となっており、この素材自体は観賞用のデータには向いています。しかしケースなどの薄型で引っ張りや曲げを伴う場合には向いていないということです。

インターカルチャー様の素材は精度が高く、強度も高いものを選択しました。こちらは扱いやすく、多少の引っ張りにも耐えられますし、上蓋と受け側の隙間は0.04mmですがきっちり固定することができました。精度は十分あります。

 

色々と初めてだったため、慣れないと難しいことばかりですが、しっかりと事前準備が必要だということが分かりました。

しかし、3Dプリントはサービスとしてデータ入稿すると金額的にカットアンドトライができない分、自宅に3Dプリンタが欲しいなと思っています。高精度の3Dプリンタがそこそこ安価であれば嬉しいのですが……。

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